はじめに
猫は痛みを隠す生き物です。野生時代の名残で、弱みを見せないように本能的に痛みを隠します。飼い主である私たちが、わずかなサインに気づいてあげることが大切です。
猫が痛みを隠す理由
野生の本能
· 弱みを見せると襲われる
· 群れから追い出される危険
· 獲物として認識される
生存戦略
痛みを隠すことは、猫にとっての自己防衛手段なのです。
痛みのサインを見分ける
行動の変化【軽度の痛み】 ・活動量が減る ・高い所に登らなくなる ・毛づくろいが減る 【中等度の痛み】 ・食欲が落ちる ・隠れることが増える ・撫でられるのを嫌がる 【重度の痛み】 ・全く動かなくなる ・攻撃的になる ・鳴き声を出す
身体のサイン
· 耳の位置:横や後ろに向ける
· ひげ:前に突き出さず、たれる
· 瞳孔:大きく開いている
· 体勢:うずくまっている
部位別の痛みサイン
口の痛み
· よだれが増える
· 口の周りを触られるのを嫌がる
· 片側でしか噛まない
· フードをこぼす
関節の痛み
· 階段の上り下りを嫌がる
· ジャンプができなくなる
· 歩き方がぎこちない
· 動き始めにためらいがある
お腹の痛み
· 背中を丸める
· お腹を触られるのを嫌がる
· 頻繁に体勢を変える
· 落ち着きがない
緊急対応が必要な痛み
すぐに病院へ連れて行く症状
· 激しい叫び声をあげる
· 同じ場所を執拗になめる
· 呼吸が荒い
· 触ろうとすると噛む
時間外でも受診すべき場合
· 交通事故にあった
· 高い所から落ちた
· 出血を伴うケガ
· 意識が朦朧としている
痛みの原因となりやすい病気
若い猫に多い
· 歯肉炎
· 骨折
· 外傷
中年猫に多い
· 歯周病
· 関節炎
· 膀胱炎
老猫に多い
· 腎臓病
· がん
· 変形性関節症
家庭でできる痛みケア
環境調整
· 段差をなくす:台やスロープを設置
· 暖かい場所を確保:保温マットや毛布
· トイレの工夫:縁の低いトイレに変更
日常ケア
· 適正体重の維持
· 定期的なブラッシング
· 爪切りの徹底
動物病院での診察
伝えるべき情報
· 症状が始まった時期
· 痛みの程度の変化
· 普段と違う行動
· 食欲や水飲みの量
検査の流れ
- 身体検査:触診、歩様観察
- 血液検査:炎症の有無
- レントゲン:骨や関節の状態
- エコー検査:内臓の状態
痛み止めの注意点
絶対にやってはいけないこと
· 人間の痛み止めを与える
· 量を自己判断で変える
· 薬を急にやめる
正しい薬の使い方
· 獣医師の指示を守る
· 決まった時間に与える
· 副作用を観察する
予防のために
定期検診の重要性
· 若い猫:年1回
· 中年猫:年2回
· 老猫:3-4ヶ月に1回
自宅でできる健康チェック
· 毎月:体重測定
· 毎週:歯ぐきの色チェック
· 毎日:食欲と活動量の確認
まとめ
猫の痛みに早く気づくためには、普段からの観察が最も重要です。あなただけが気づける、愛猫の小さな変化があります。
「いつもと違う」と感じたら、迷わず獣医師に相談してください。あなたの気づきが、愛猫の苦痛を早く取り除く第一歩になります。
愛猫のSOSサイン、見逃さないでください。

