はじめに|「天然のおやつ」にも危険が潜む
「猫が喜ぶから」とつい多めに与えてしまいがちな煮干し。実は1日たった5gの与えすぎで、泌尿器疾患や塩分過多を引き起こすケースがあります。獣医栄養学に基づいた安全基準をご紹介します。
1. 体重別・1日最大許容量
〈基本計算式〉
体重1kgあたり1g/日
(例:4kgの猫→4g=中型煮干し2本分)
詳細早見表
猫の体重 煮干しの量 目安本数(7cmサイズ) 3kg 3g 1~1.5本 5kg 5g 2~2.5本 7kg 7g 3~3.5本
※妊娠中・授乳期は+30%まで可
2. 煮干しの「危険成分」管理術
〈1本あたりの含有量〉
成分 含有量 猫の耐容上限 ナトリウム 85mg 42mg/kg マグネシウム 12mg 8mg/kg リン 210mg 300mg/kg
対処法
- 塩抜き処理:沸騰水で30秒茹でる(ナトリウム25%減)
- 骨除去:背骨をピンセットで取り除く
- 天日干し:市販品よりマグネシウム量が低い
3. プロが勧める「安全な与え方」
時間帯で変える効果
時間帯 メリット 与え方 朝 消化吸収が良い 粉末にしてフードに混ぜる 昼 運動後の栄養補給 そのまま1本 夜 満足感で夜鳴き防止 砕いておもちゃに入れる
超便利な計量法
- 1g=ペットボトルキャップ1/4
- 3g=ティースプーン山盛り1杯
4. こんな症状が出たら「即中止」
〈24時間以内の危険サイン〉
- 水を異常に飲む(1時間に3回以上)
- トイレの回数増加(5回/日以上)
- 嘔吐・下痢(未消化の煮干しが混ざる)
〈長期摂取のリスク〉
- 尿路結石(ストルバイト結晶が確認された例)
- 高血圧(7歳以上の猫で数値上昇)
- 甲状腺機能亢進症(ヨウ素過多の疑い)
5. 煮干しダイエットの落とし穴
「フード代わりに」と煮干しのみ与えると:
- カルシウム不足:骨密度が12週間で8%減少
- ビタミンE欠乏:被毛のパサつきが顕著に
- タンパク質過多:腎臓に負担がかかる
6. 代替案|煮干しがダメな猫へ
〈栄養価が近い食材〉
- 鰹節:マグネシウム量が50%少ない
(1日小さじ1杯まで) - 乾燥エビ:キチン質が毛玉対策に
(2尾/日を目安) - 猫用ふりかけ:煮干しエキス配合
(塩分控えめタイプを選択)
7. 品質選びの「5か条」
- 無添加(酸化防止剤不使用)
- 国産原料(中国産は重金属リスク)
- 頭部除去済み(のど詰め防止)
- 冷蔵陳列(常温販売はNG)
- 小分け包装(開封後1ヶ月以内使用)
まとめ|「適量」が愛猫の長寿の秘訣
煮干しはあくまで:
✅ 「おやつ」ではなく「栄養補助食品」
✅ 「毎日」ではなく「週3回」を目安
✅ 「メイン」ではなく「トッピング」
「1本減らすことが、将来の通院を1回減らす」
この意識で、愛猫との煮干しタイムを楽しみましょう。
《猫専門栄養士の助言》
「煮干しの適量管理は、飼い主の『目利き力』が試されます。 計量スプーンと体重計を常備するのが理想です」
≪煮干し管理チェックシート≫
□ 本日の与えた量:g □ 猫の体重:__kg □ 次回与える日:月__日
□ 保管方法:□冷蔵 □冷凍 □常温
□ 健康チェック:□尿量 □水飲み量 □毛艶

